本記事は「JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則」の要約・書評(レビュー・感想)です。
貯金を優先すべきか、それとも投資を優先すべきか。さらに「暴落を待ってから買うべきか」「毎月積立でいいのか」――積立投資をしていても、根拠がはっきりしないまま不安になる瞬間はあります。
この記事では『JUST KEEP BUYING』の考え方をもとに、①暴落待ちではなく“買い続ける”とは何か(インデックス投資×自動積立)、②なぜ投資が必要なのか(人的資本→金融資本への置き換え)、③貯金と投資のどちらを優先すべきか(予想貯金額と予想投資収益額の比較)を、順番に整理します。
読み終えるころには、「自分はいま貯金フェーズなのか、投資フェーズなのか」が数値で判断でき、次に何をすればいいかが迷いにくくなります。買い時探しや気分に振り回されず、淡々と資産形成を続けるための“判断軸”が手に入ります。
結論として本書が示すのは、相場を当てにいくのではなく、インデックスを自動で買い続けて金融資本を育てること。そして貯金か投資かで迷ったら、1年で増やせる額(予想貯金額と予想投資収益額)を比べて、いま集中すべき行動を決めることです。
おすすめの読者
- 暴落を待つべきか迷っていて、買うタイミングで手が止まりがちな人
- 毎月積立はしているが、「これで本当にいいのか」根拠が欲しい人
- 貯金と投資の優先順位が決められず、行動がブレる人
筆者について
筆者のNick Maggiulliさんは、Ritholtz Wealth Managementの最高執行責任者(COO)兼データサイエンティストでデータを用いた個人財務および投資戦略の分析で知られています。
人気ブログ OfDollarsAndData.com の開設者であり、スタンフォード大学で経済学の学位を取得し、ニューヨーク市に在住しています。
Just Keep Buying(買い続ける)とは?──暴落待ちより「自動積立」
JUST KEEP BUYING(買い続ける)とは、相場を予想して売買タイミングを当てにいくのではなく、分散された投資商品を、決めたルールで定期的に買い続けるという考え方です。
本書の核心は、この一文に集約されます。
「できるだけ早く、頻繁に投資すべき——。これがジャスト・キープ・バイイングの核心。これは、時間や場所を超える原則である。」
出典:ニック・マジューリ『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』p.284(Kindle版)
暴落待ち(押し目買い)が難しい理由
「もっと下がってから買おう」と待つ戦略は、一見すると合理的に見えます。安く買えれば得をするからです。
でも現実には、暴落待ちは次の2つの壁に当たりやすいと感じます。
- いつ下がるか分からない(待っている間に相場が上がっていく可能性がある)
- 下がったとしても“その瞬間に買えるか”が難しい(怖くて買えない/さらに下がる気がして躊躇する)
結果として、買い時を探しているうちに「投資していない期間」が長くなり、資産形成のペースが落ちやすいのが弱点です。
本書第14章のデータが示すこと(押し目買い vs 毎月積立購入)
本書第14章「安値を待つべきではない理由」では、“安値を待ってから買う”(押し目買い)戦略と、“定期的に買い続ける”(毎月積立購入)戦略を比較しています。
そして、安値を待つよりも、毎月積立購入のように機械的に買い続ける方が、結果につながりやすいという趣旨が示されています。
私がここで重要だと思うのは、「どのタイミングが正解か」ではなく、
投資判断を増やさずに続けられる設計(仕組み)が、長期では強いという点です。
「買い続ける」と相性がいいのはインデックス投資
買い続ける戦略は、毎月同じルールで淡々と続けることが前提になります。
その点で、個別株のように「銘柄選び」で迷いやすいものより、広く分散されたインデックスファンドのほうが、継続と相性が良いと考えています。
- 銘柄選びの迷いが減る(判断疲れが起きにくい)
- ルール化しやすい(毎月自動で買う設計にしやすい)
- 長期で続ける前提と噛み合う(“やめない仕組み”に寄せられる)
まとめ(トピック1の結論)
JUST KEEP BUYING(買い続ける)の核は、
暴落を待つより、分散されたインデックスファンドを“毎月自動で”買い続けるという考え方です。
次のトピックでは、「そもそも、なぜ投資するのか?」を整理していきます。
なぜ投資するのか?──人的資本を金融資本に置き換えるため
投資をする理由は「お金を増やすため」だけではありません。『JUST KEEP BUYING』では、投資を“人生の設計”として捉え、なぜ投資が必要なのかを整理しています。(※本記事は学習目的の要約・書評であり、投資助言ではありません)
理由① 将来の自分に備えるため
本書がまず挙げるのは、「未来の自分のために備える」という考え方です。今の家計が回っていても、老後・病気・働き方の変化など、将来の支出や収入は読み切れません。だからこそ、今から少しずつ資産を育てておくことが重要だと本書は述べます。
この視点を持つと、投資は「贅沢のため」ではなく、将来の不安を減らし、働き方や暮らし方の“選択肢”を増やすための手段として捉えやすくなります。
理由② インフレ(物価上昇)からお金を守るため
現金は安心感がありますが、長い時間軸で見ると、物価が上がれば同じ金額でも買えるものが減る可能性があります。本書は「増やす」だけでなく、「守る」観点でも投資を位置づけています。つまり投資は、攻めだけではなく購買力を守る選択肢でもある、という考え方です。
理由③ 人的資本を金融資本に置き換えるため
本書の中核にあるのが、「人的資本を金融資本に置き換える」という考え方です。
- 人的資本:自分が働いて稼ぐ力(給料・労働収入)
- 金融資本:資産が生み出す力(投資資産・配当・値上がりなど)
人的資本は、時間・体力・健康に強く依存します。働ける時間は有限で、状況によって収入が落ちることもあります。だからこそ本書は、人的資本が強い時期に「稼いだお金の一部を、資産(金融資本)に変換していく」必要性を強調しています。
「なぜなら、人的資本は減っていく資産だからだ。1年間働くと、人的資本の現在価値は下がる。将来の収入が1年分減るからだ。つまり、同額の収入(年金等を除く)を永続的に手に入れ続ける唯一の方法は、金融資本を構築することなのである。」
出典:ニック・マジューリ『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』pp.180-181(Kindle版)
具体例:給料を“変換”するイメージ
たとえば、毎月の給料から一定額を投資に回すのは、次のような意味を持ちます。
- 今月の人的資本(労働収入)の一部を、将来の金融資本(資産)に移す
- 「いつ買うか」を悩むより、ルールで自動化して“変換を止めない”
- 年齢を重ねるほど、金融資本が生活の下支えになりやすい
ここで大事なのは、一度に大きく変えることではなく、小さくても継続して置き換えることです。人的資本が強い時期に金融資本の土台を作っておくほど、将来の安心は厚くなります。
まとめ(トピック2の結論)
本書が示す投資の理由は、①将来の自分に備える、②インフレから守る、③人的資本を金融資本に置き換える――という視点で整理できます。
そして最重要なのは、働いて稼ぐ力を、資産の力へ少しずつ変換していくという考え方です。
ここまでで「なぜ投資するのか」は整理できました。ですが、実際に行動しようとすると次に多くの人が迷うのが、「貯金と投資のどちらを優先すべきか?」という問題です。
次のトピック3では、本書の考え方をもとに、貯金と投資の役割の違いと優先順位を具体的に整理します。
トピック3:貯金と投資のどちらを優先すべきか?──「2つの数値」で判断する
「貯金を増やしてから投資すべき?それとも投資を優先すべき?」
この問いに対して、本書は“気分”ではなく、簡単な計算で自分の現在地を判定する方法を提示しています(※本記事は学習目的の要約・書評であり、投資助言ではありません)。
結論:貯金か投資かは、1年分の“増え方”で決める
今後1年間で増やせる金額を、次の2つで比べ、大きい方に集中すべきという考え方です。
- 予想貯金額(無理なく貯金できる額)
- 予想投資収益額(投資資産が増えそうな額)
「予想貯金額のほうが多い人は、貯金を増やすことに集中すべきだ。」
出典:ニック・マジューリ『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』p.39(Kindle版)
判断のための簡単な計算(本書のやり方)
Step1:予想貯金額を出す
今後1年間に「無理なく」貯金できる額を見積もります。
予想貯金額=(毎月の無理なく貯金できる額)×12
Step2:予想投資収益額を出す
今後1年間に見込める投資収益を見積もります。
予想投資収益額=(現在の投資資産額)×(想定利回り)
Step3:2つを比較して判定する
- 予想貯金額 > 予想投資収益額 → 貯金に集中(元手づくりの段階)
- 予想貯金額 ≤ 予想投資収益額 → 投資に集中(資産を育てる段階)
まとめ(トピック3の結論)
本書の「貯金か投資か」の判断は、感覚ではなく、1年で増やせる額の比較で決める方法です。まずは「予想貯金額」と「予想投資収益額」を出して、自分が今どの段階にいるかを見える化します。
まとめ

トピック1:暴落待ちより、インデックスを自動積立で買い続け、時間を味方に感情に左右されず資産形成を進めるのです。
トピック2:人的資本は減る資産。収入の一部を金融資本へ変換し、将来とインフレに備え、働けない時期も安心をつくる。
トピック3:1年で増やせる額を比較し現在地を判定。無理なく算出し、貯金>投資益なら貯金集中、逆なら投資を優先。
ぜひ、一読してみてはいかがでしょうか?

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